オペラの序曲はクラシック入門にいいかもしれない
クラシック音楽って、なんとなく興味はあっても手を出しにくいものです。
何から聴いていいかわからないし、一曲が長いし、よくわからなくて眠くなりそうだし…。
私もそうだったのでよくわかるのですが、抽象的でなんだかよくわからない音楽を1時間も集中して聴いていられるものではありません。
逆に、具体的、つまり主旋律がはっきりしていて、短い曲なら結構最初から楽しんで聴けるのです。
そういう観点でいくと、オペラの序曲というのはもしかしてクラシック初心者に向いているのではないか、と最近思うようになりました。
オペラの序曲(overture)というのはその名の通り、オペラの開演に先立って演奏されるオープニングテーマのようなものです。オペラ本編で登場する音楽のダイジェスト版のような作りになっていることも多く、耳馴染みの良いメロディが繰り返し現れます。本編の前フリという位置づけなので曲の長さも5分から10分程度のものがほとんどです。
ただ、一つだけ難点がありまして、オペラの作曲家というのはオペラ専門になっていることが結構多くて、「同じ作曲家の別の曲も聴いてみたい!」と思ったとしてもオペラしか作ってない、ということが結構あるんです。もちろんそこからオペラに興味を持っていただけたら、それはそれで良いのですけどね。
オペラは「普通のオーケストラ」とはまたちょっと違う世界なのです。ちなみに私はオペラも大好きなのですが、それについてはまたいつか書くとしましょう。
有名なオペラの序曲としては、一例ですが、次のようなものがあります。これらの曲はオペラで演奏されるだけでなく、普通のコンサートでもプログラムに組み込まれることが多いです。ここで挙げているYouTubeの映像もそれですね。
カルメン(ビゼー)
誰もが知ってるメロディ。というより、メロディだけ有名過ぎていろいろなところで使われているので、元ネタがオペラだと知らなかった人もいるのではないでしょうか。
Bizet : Ouverture de "Carmen" sous la direction de Myung-Whun Chung (bis)
地獄のオルフェ(オッフェンバック)
後半のフレンチ・カンカンのメロディ(7:00あたりから)が有名です。カステラが食べたくなる人も多いかも。
Offenbach - Orpheus in the Underworld Overture
こうもり(シュトラウス)
「シュトラウス」という名前の人は何人かいて厄介なのですが、この人はヨハン・シュトラウス2世。お父さんの1世も同じような感じの曲(ウィンナ・ワルツ)をたくさん作っています。リヒャルト・シュトラウスは有名な全くの別人。
Strauß: Fledermaus-Ouvertüre ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ DaYe Lin
フィガロの結婚(モーツァルト)
有名なオペラ作曲家はオペラ専門の人が多いのですが、モーツァルトは天才すぎるのでオペラにも傑作を複数残しています。
Mozart - Le nozze di Figaro, Ouverture (Kurt Masur)
タンホイザー(ワーグナー)
個人的なおすすめ。少し長めで聞き応えがあり、分厚い本格的なオーケストラサウンドが楽しめます。
Wagner: Tannhäuser – Ouvertüre ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Andrés Orozco-Estrada
いかがでしたでしょうか? まだまだ紹介したい曲はたくさんあるのですが、キリがないので今日はこのへんで。
クラシックやオペラの曲に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!