オペラ研修生のガラ・コンサート
12月23日に、新国立劇場で行われたオペラ研修生によるガラ・コンサート「NNTT Young Opera Singers of Tomorrow2020」というイベントに行ってきました。
オペラの傑作の中から名場面を抜粋し、 つなぎ合わせて演出するという趣向です。
オーケストラではなくピアノ伴奏でしたが、歌手の歌が際立って、かえってよかったかもしれません。
席にもよるのかもしれませんが、オーケストラの音の方が勝ってしまって歌がよく聞こえないということがしばしばあるのです。
でもよく考えてみるとオーケストラの全奏にたった1人の声で張り合ってるのがそもそもすごいですよね…
みんなとてもよかったけど、個人的に好きだったのが和田悠花さんのルチア。
もともと好きな曲だったからということもありますが、透き通った声がとても印象的でした。
最後の全員での合唱も感動しました。
舞台に出ていた歌手たちが、どこかの歌劇場で活躍するのを見られると嬉しいな。
名前を覚えるのが苦手なのでそうなったときに気づかないかもしれませんが。。
あと、パフォーマンス以外で気になったことがひとつ。
それは、ステージの若々しさと対照的に、客層がとても年齢層高めだったということ。
普段のオペラ公演はU25/U39割引の効果もあるのか、もう少し客層が若いのですが、今回の公演は客席がほぼ老人(失礼)でした。
近くの席にとても若い人もいたのですが、話し声を聞いている限り出演者の後輩の音大生みたいな人たちっぽい。
オペラだけでなくクラシック業界は若い聴衆を集めるのが大変、という声もよく聞くけど、そう言っているわりにはあまり努力をしていないようにも見えます。
お金を持っている老人たちのほうを向いてビジネスをしているように見えるんですよね。はたから見ていると、ですけど。
そんな中で、新国立劇場はU25/U39割引とかやっていて頑張っているほうだと思います。
でも、割引になって1万円でも高い、というのが普通の感覚のような気もします。
残念ながら(途上国も含めた諸外国の成長率と比べて相対的に)日本が貧しくなっているのは事実で、少子化の上に貧しくなったのでは芸術に興味を持つ層の人口が減っていくのは仕方がないことなのでしょう。
とはいえ、子供の頃には美術とか芸術に興味を持つとは思えないような家庭で育った私が今こうしてオペラを聴いているのだから、大人になってから好きになる人も結構いるのだと思います。
きっかけがあればオペラファンになる人はもっと増えると思うのですが、きっかけが少ないんですよね。
日本語字幕付きの映像作品がYouTubeとかで観れたりするとだいぶ裾野は広がる気がするのですが。
本当に若者を取り込もうと思うならネット配信は絶対だと思います。アリアの断片だけでもいいから字幕つきで無料配信してくれればいいのに。そうすれば私も喜びます(笑)