新国立劇場の『こうもり』
少し前に記事を書いたオペレッタ『こうもり』。
新国立劇場の公演に、U39の割引チケットを使って行ってきました。
新国立劇場には「青少年のための優待メンバーズ」という制度があって、公演日の2週間前くらいにチケットが余っていれば39歳以下は11,000円で、25歳以下はなんと5,000円でS席のチケットが買えます。
通常S席のチケットは2万円以上するのでこれはかなりお得です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ticket/general/youth-members/
『こうもり』は喜劇的で気軽なオペレッタ。
歌の間にセリフが挟まるような形で進行します。
というより、歌よりセリフの方が多いんじゃないかというくらいです。最終幕には歌を歌わないセリフだけの役も登場します(歌がないのでオペラ歌手ではなく、通常は喜劇俳優が演じます)。
『こうもり』に限らず喜劇的な演目の時は「日本語ネタ」を入れるのが新国立劇場のお約束なので、実はそれを楽しみにしていました。
新国立劇場ではメインキャストは海外から有名な歌手を招聘しているのですが、劇中で彼らに日本語を喋らせるんです。
今回は盛りだくさん。ちょっとやりすぎなくらいだったかも。
フランス人に身分を偽って晩餐会に参加している二人が引き合わされて「さあ、母国語で会話を」と促され、知っている限りのフランス語(「ブイヤベース!」とか)を喋ってその場を切り抜けようとする場面があります。
ちょっとネタバレですがそのシーンで「あざぶじゅうば〜ん」「ソレハニホンゴダ!」
まあ文字で説明するとたいして面白くないんですが、こういうのってその「場」にいるとどういうわけか本当に面白いんですよね。
でも、英語字幕(舞台の両サイドに日本語字幕と英語字幕が出ています)には反映できていなかったので、日本語がわからないお客さんはなんでみんなが笑っているのかわからなかったのではないかな。
幸い(ではないですが)コロナで外国人のお客さんは少なかったようですが。
歌や音楽も、陽気なワルツなどが主体となって終始楽しい気分で盛り上がれる構成です。
でも、ところどころで抒情的なメロディや考えさせる歌詞が現れたりします。
「どうにもならないことを忘れられる人は幸せだ」
実は『こうもり』はウィーンでの初演の時には大恐慌の直後だったそうです。喜劇の中にもどこか諦めのような雰囲気を持つこの作品が受け入れられたのは、そういう時代の空気がマッチしていたのかもしれません。
コロナ禍の今も、少し共通する気分があるような気もします。株価はなぜか爆上がりしてますけどね!
ちなみにこのオペレッタ、最後は「全部シャンパンのせいだ!」ということでまるく収まります。
残りの日程は
- 2020年12月3日(木)19:00 オペラパレス
- 2020年12月5日(土)14:00 オペラパレス
- 2020年12月6日(日)14:00 オペラパレス
U39/U25チケットもまだ買えるようですので行ってみてはいかがでしょうか。
私もあらかじめ買っておいた安い席のチケットがあるのでもう一度観に行きます。